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映画

怒り 映画感想・総評・ネタバレ

2016/10/06  | 2,164 views

怒り 映画 感想・ネタバレ

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あらすじ

ある夏の暑い日に八王子で夫婦殺人事件が起こった。窓は閉め切られ、蒸し風呂状態の現場には、「怒」の血文字が残されていた。

犯人は顔を整形し、全国に逃亡を続ける。その行方はいまだ知れず。事件から一年後。千葉と東京と沖縄に、素性の知れない3人の男が現れた。

-千葉-
3ヶ月前に突然家出をした愛子(宮崎あおい)が東京で見つかった。彼女は歌舞伎町の風俗店で働いていた。
愛子を連れて帰った父・洋平(渡辺謙)は、千葉の漁港で働く。8年前に妻を亡くしてから、男手一つで娘を育ててきた。
愛子は、2ヶ月前から漁港で働き始めた田代(松山ケンイチ)に出会った。

-東京-
大手通信会社に勤める優馬(妻夫木聡)は日中は仕事に忙殺され、夜はクラブで出会う男と一夜限りの関係を続けていた。
彼には末期ガンを患う余命わずかな母がいた。ある日、優馬は新宿で直人(綾野剛)に出会った。

-沖縄-
また男と問題を起こした母と、夜逃げ同然でこの離島に移り住んできた高校生の泉(広瀬すず)。
ある日、無人島でバックパッカーの田中(森山未來)に遭遇した。

出典:http://www.ikari-movie.com/

 

豪華なキャスト

日本を代表する名優・渡辺謙を主演に、森山未來、松山ケンイチ、広瀬すず、綾野剛、宮崎あおい、妻夫木聡と日本映画界トップクラスの俳優たちが共演。ちょっとのシーンに出てくるチョイ役でも主演級の役者をキャスティングしています。豪華です。

千葉編

  • 田代 哲也(松山ケンイチ)
    漁協に仕事を求めて現れた男。愛子と同棲を始めていく。
  • 槙 洋平(渡辺謙)
    千葉の漁協で働く愛子の父。妻を亡くした後、男手一つで娘を育ててきた。
  • 槙 愛子(宮崎あおい)
    三ヶ月に渡る突然の家出から地元に帰ってきた。漁協で出会った田代に恋をする。
  • 明日香(池脇千鶴)
    愛子と従姉妹。叔父の洋平を支えるしっかり者。一児の母。

東京編

  • 大西 直人(綾野剛)
    新宿で優馬が出会った無職で住所不定の謎の多き男。男性同性愛者(ゲイ)であり、ハッテン場?で藤田 優馬(妻夫木聡)と出会う。洗面台で髪を自分で切ってる。
  • 藤田 優馬(妻夫木聡)
    大手通信会社で働くエリートサラリーマン。末期がんを患う母がいる。男性同性愛者(ゲイ)。 テレビの報道で、八王子の事件の犯人はホクロが縦に3つ並んでるというのを見て、直人を疑い始める。
  • 薫(高畑充希)
    大西 直人の過去を知る女。後半に出てくるチョイ役。
  • 藤田 貴子(原日出子)
    優馬の母。末期ガンを患いホスピスに入院中。

沖縄編

  • 田中 信吾(森山未來)
    謎のバックパッカーで無人島に籠る。
  • 小宮山 泉(広瀬すず)
    沖縄の離島に母と二人で引っ越してきた高校生。ネタバレだけど、体張ってます。
  • 知念 辰也(佐久本宝)
    泉の同級生。民宿「さんご」を営む両親のもとで育つ。

八王子夫婦殺人事件の犯人を追う警察

  • 南条邦久(ピエール瀧)
    八王子署警部補。壮介が食事中に雨で濡れた?靴下を部下の机に脱いで乾かしたり、3日ぶりに快便だったことを話したりする大雑把な性格。
  • 北見 壮介(三浦貴大)
    八王子署巡査部長。

 

見どころ

監督は前作、吉田修一の原作「悪人」を映画化した李相日監督。今回は吉田原作の小説の映画化です。原作は好評だったこともあって、注目を集めています。

犯人未逮捕の殺人事件から1年後、千葉、東京、沖縄という3つの場所に、それぞれ前歴不詳の男が現れたことから巻き起こるドラマ。

作品中は指名手配の写真や事件の回想シーンなど、誰でも犯人に見えるようにミスリードを誘発するトリックが多用されています。これについては李相日監督は対談で「それぞれの人にとって自分の近しい人が指名手配の顔に見えてしまう」ところを核に据えた、とコメントしています。田代なのか直人なのか田中なのか、誰にでも見えます。そこも注目。

東京・八王子で起こった残忍な殺人事件。犯人は女性を殺害し、殺害後は女性を浴槽に入れる。顔を整形してどこかへ逃亡。警察は似顔絵やエレベーターの監視カメラ映像など公開して捜査。ってなんだかリンゼイ・アン・ホーカー殺害事件の犯人市橋達也を連想させます。モチーフにしているんでしょうね。米兵の強姦事件もあるし、日頃のそういったニュースや記憶の新しい事件が絡んでくる話だけに観てて他人事じゃない感じがしました。

あと、妻夫木聡と綾野剛のベッドシーンが観たい人はこの作品観た方がいいですね。たっぷりあります。

さらに坂本龍一が劇中音楽を手がけており、期待度が非常に高い映画です。

 

感想

この作品は千葉、東京、沖縄パートを通じてさまざまな「怒り」が出てきます。一貫して言えるのが、信じることの難しさ、人を疑ってしまうことの闇の部分、李相日監督は見事表現していました。

沖縄パートでの沖縄米兵の問題なんとかならないのかなー、結局黙ってるだけだし。

映画の客層はほとんどが50代前後の人で人もまばらでした。上映時間2時間22分は映画に惹きつけられて、長く感じませんでした。ハッピーエンドってわけじゃないけど、日頃のさまざなま事件や問題の現実が出てくるので、多くの人に見て欲しい作品です。

役者の力の入れようもすごかったです。妻夫木聡と綾野剛のベッドシーンすごかった(笑)作品中では2回あるので、興味のある人は価値があるかも。綾野剛、妻夫木聡に掘られています。襲われる広瀬すずの体を張った演技も圧巻です。

 

ネタバレ

1年前に八王子で夫婦惨殺事件が発生。事件現場には「怒」という犯人が書いた血文字が残されており、事件後目撃情報から犯人は「山神一也」と判明する。

事件概要は犯人は夫婦の内、奥さんを殺害し、風呂場の浴槽に入れて、そのまま風呂場で待機。旦那が帰って来たら、その旦那を殺害し、ドアに「怒」という血で書かれた文字を残し、玄関から自転車に乗って逃走したとみられている。ドアも壊された形跡がないので、宅配業者を装ったのではないかと思われていた。

山神は逃亡し、1年経った現在も事件は未解決の状態。整形をして逃亡を続ける山神に対し捜査が難航する警察はテレビで公開捜査番組を放送する。

 

千葉パート「田代哲也」

家出をして歌舞伎町の風俗店で働いている愛子を父である洋平が連れ帰りに迎えに行く。連れ帰ると、駅で愛子の従姉妹である明日香とその息子の迎えに来た車で漁港に帰る。帰路の途中、3か月前から漁港で下働きとしてバイトをしている田代に出会う。

洋平に弁当を届けに漁協にやってきた愛子は、田代に会う。コンビニ弁当を食べている田代を見て、田代の分の弁当も作ってあげることになる。そのことをきっかけに2人は少しずつ親密になり、交際に発展していく。

近くのヤマダさんのアパートで2人で一緒に暮らしたいと言い出した愛子と田代。洋平はしぶしぶ了解する。

そんな最中、警察がテレビの特集番組で山神事件の公開捜査を行う。

山神と思われる人物のエレベーター内の防犯カメラでの様子がテレビに映る。洋平は田代に似ているような気がしてきて、前歴が分からない田代に対し、田代が山神なのではないかという疑念を抱くようになる。

洋平は田代が漁港に来た時の紹介状から前職勤めていた軽井沢?(←忘れた)に向かい、前歴の真偽を調べる。

田代は前職では高橋と名乗り、嘘をついていたことがわかった洋平は愛子にそのことを話す。愛子は田代は両親の背負った借金を肩代わりされていて、ヤクザから逃げるために名前を偽っていると聞いていると応える。

洋平は田代はテレビに映っている山神と似ていることを明日香に相談をする。愛子は幸せになろうとしているのを信じてあげてと明日香は洋平に促す。

田代を信じたい洋平と愛子だったが、どうしても拭えない疑念と葛藤する。

愛子は家を出ていた田代に電話で「人殺しじゃないよね?そうじゃないなら帰って来て」と伝え、田代は家に帰らなかった。愛子は警察に田代のことを山神に似ていると告発する。

 

東京パート「大西直人」

大手通信系企業に勤める藤田優馬はゲイの人が集まるサウナ?ハッテン場?で直人という男と出会う。優馬は半分無理矢理、直人を襲う。そういうところなのかな。グレートジャーニーでハッテン場の回観てないとわからなかった。

優馬は住所不定で行くあてのない直人のことを気にかけ、自分の家に住まわせる。

直人は優馬の母、貴子のお見舞いにも付いてくるようになる。貴子は直人の頬にホクロが3つ並んでいることに気づく。

ある日、優馬の知人から電話で空き巣被害が連続して起きていることを聞く。共通の知り合いが犯人じゃないかと会話がなされたことで、優馬は直人が空き巣犯なのではないかと疑いを持ち始める。

また別の日、直人はカフェで女性と直人が楽しそうに話しているのを見かける。家に帰ったあと直人を問いただすが、何もないと告げる。直人は姿を消す。

ある夜、テレビで山神事件の公開捜査を目にした優馬は、直人の右頬に犯人と同じようなほくろがあることに気づく。

優馬の電話に駒沢警察から電話がかかってくる。警察は大西直人のことをご存知ですか?と訊ねるが、優馬は知りませんと答えて電話を切る。

優馬は直人がほんとに山神ではないかと疑い、直人の衣類、食器、歯ブラシなどを処分する。

 

沖縄パート「田中信吾」

自由奔放に恋愛する母親の都合で沖縄の波照間島に引っ越してきた高校生の小宮山泉。

ある日、辰也に誘われ?無人島の星島に行くと、偶然そこでバックパッカーの田中という若い男と出会う。

海岸近くのコンクリートブロック造りの小屋に住む田中は泉にここで自分と会ったのは誰にも言わないで欲しいと頼み、泉は守って、辰哉にも田中の存在を内緒にしていた。

泉はそれから星島にいる田中が無人島で無事に暮らせているかが気になり、辰哉に頼んで、星島にいる田中にたまに会いに行くようになっていた。

辰哉に映画?に誘われ、那覇に渡った泉は、田中にたまたま出会う。

辰哉、泉、田中の3人で夕食を食べ、辰哉は泡盛を飲んでベロベロ状態になる。店を出た後、田中とは別れる。

目を離した隙に辰哉はフラフラと姿を消してしまう。辰哉を探して追う泉は米兵の飲み屋街に着く。1人で歩く泉は米兵に目をつけられるが、そのままその飲み屋街を抜けて公園まで行く。

そこで泉は米兵に襲われ、泣いて抵抗するが、そのまま強姦される。途中で誰かが「ポリス、ポリス」と警察を呼んだため、途中で米兵は逃げていく。

辰哉は強姦されているのに気づいていたが、何もできなかった。倒れた泉の元に駆けつけるが、泉は誰にも言わないでと言う。辰哉は沈黙を選んだ泉を静かに見守ることを決意する。

辰哉は田中に相談したいのか、星島で再会する。辰哉の民宿でバイトをすることになった。辰哉は田中に泉の名前を伏せて友人の妹の話として、米兵に強姦された女性の話をする。本人は公にしたくないと黙っていることなど相談する。

今までに沖縄ではこういった事例はたくさんあり、根本的な解決には至っていないことに苦悩する。そんな辰哉に田中は「いつだってお前の味方になるから」と静かに声をかける。

民宿でバイトをしている田中は移動させる客の荷物を投げつける。辰哉は何をしていると問うと、手首を痛めてというが、本当は泉が米兵に強姦されていたのを知っていたと打ち明ける。あの日は3人で別れた後、帰らず公園に立ち寄ったら泉が襲われているのを目撃したが怖くて体が動かなくて「ポリス、ポリス」と叫ぶことしかできなかったという。辰哉は自分はあの日何もできなかったと泣く。

田中は夜中にフライパンを持って民宿のキチンなどで暴れ出す。その勢いのまま住み込んでいる自室に向かい、荷物を持って逃走する。

辰哉は星島の田中が住んでいたクリートブロック造りの小屋に向かう。そこで田中が書いた壁に掘った落書きを見つける。赤いペンキで「怒」という文字が壁に彫られていた。

部屋の外ででかいハサミを使い、自分の頬のほくろを傷つけて、消そうとしている田中を見つける。田中は泉が襲われているのを本当は近くで見ていたことを告白する。米兵が誰かの「ポリス」の声で逃げやがって、最後までしろと悔しがっていた。田中は泉の事件があった時にその近くにいて笑っていたような男だった。

信じていた相手の裏切りを知った辰哉は、田中が床に落としたでかいハサミで田中のことを刺してしまう。

なぜか田中が海辺まで歩くシーン。

放心状態の辰哉は小屋の壁の下の方には「米兵が女を強姦してるのを見た 知ってる女だった ウケる」と泉の事件についての言葉が彫られていた。それを見た辰哉は文字を消そうとでかいハサミで消そうとする。

警察によって田中が山神であったことが判明する

 

千葉パート「田代哲也」

愛子によって警察に告発された田代だったが鑑識の結果、山神でないことが判明する。

田代が姿を消してから数日後、愛子の携帯に田代から電話がかかってくる。電話で田代に愛子と洋平は「お前のことをもう一度信じたい、戻ってこいよ」と説得する。愛子は東京駅にいるという田代のことを迎えに行くと言い残し家を飛び出していった。

愛子から洋平に「6時の電車に間に合うから、これから2人で帰る」という言葉を聞く。

 

東京パート「大西直人」

直人が山神でないことがわかった優馬は前に直人とカフェで楽しそうに話していた女性を見かけた。その女性の元に行き、直人を探していると告げる。

その女性は直人と施設一緒に育った兄妹みたいなものだったということを聞く。直人の心臓は悪く、薬を飲む生活をしていたと知る。

直人は優馬と暮らし始めたことで、勇気や自信を取り戻すことが出来たと楽しそうに話していたと聞かされる。

そして直人は公園で倒れているところを発見されたということ。警察からの電話は直人がなくなったことを知らせるものだったと知る。

 

沖縄パート「田中信吾」

テレビでは辰哉は裏切られたから刺した(←理由あんまり覚えてない)と報道され、泉の件は黙っていた。

星島で田中の落書きを見つけた泉は、自分のことを守るために辰哉が田中のことを刺したのだと気がつく。

 

山神の八王子夫婦殺人事件の動機

劇中で山神を知る人物の証言で「人を見下すことで生きている」というコメントがあり、憐れみをかけられたことが事件の動機になっていると説明されていました。

山神は派遣先に行って、日雇いの工事現場?で働いていました。八王子夫婦殺人事件当日、山神は派遣元の現場に向かうと、そこは住宅街で現場を見つけられなかった。

事務所に電話を掛けると、その現場は先週の現場だった。謝る言葉もないまま、電話を切られた。途方に暮れて近くの家の玄関に座っていると主婦が家に帰ってきた。その主婦の方は優しさでお茶を出した。

山神はその憐れみが「怒り」につながって、その主婦を殺すという動機につながっていると説明させていました。

 

まとめ

妻夫木聡のゲイ仲間の家の空き巣犯の犯人は誰だったんだろう。綾野剛じゃなかったんですよね。気になる。

エレベーター内の防犯カメラに映っていた姿は完全に田代だったけど、李相日監督はHPに掲載されていいる対談で「それぞれの人にとって自分の近しい人が指名手配の顔に見えてしまう」と答えていたので、そういう意図であえてそうしたのかな。

米兵による広瀬すずの強姦なんて、体張ってましたね。泣き叫んでレイプされている役もやるんだって驚きました。

リンゼイ・アン・ホーカー殺害事件の共通点多い、というかそれをモチーフにしてるんでしょうね。ひどい事件でした。

  • 逃亡中、沖縄県離島に滞在
  • 海岸近くのコンクリートブロック造りの小屋
  • 美容形成外科
  • 住込みの土木作業員
  • フェリー乗り場の写真

作品を通して、妬ましい事件思い出しました。監督とそれを表現する役者陣の気合の入れようが感じられるいい作品でした!

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